散る桜
私は小さい時に父と別れたので、ずっと父の顔を知りませんでした。父が亡くなる1年ほど前に再会しましたが、私は父の顔を覚えていなかったので、私には初対面でした。
父が亡くなってしばらくして、父の数枚の写真が手元に届きました。その中に、海軍の制服を着て、魚雷艇のような前で撮った小さな写真がありました。裏を見ると、「散る桜 残る桜も散る桜」と書いてありました。これは良寛の辞世の句で、戦争中に特攻隊の人の間で,流行ったそうです。父は無事帰ってきたましたが、この句をどんな気持ちで書いたのだろうと思います。私は散っている桜を見ると、父とこの句を思い浮かべ、切なくなります。
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