願わくば

「願わくば花の下にて春死なむ その如月の望月のころ」

これは平安時代の西行法師の晩年の歌です。西行は、佐藤義清という天皇を警護する北面の武士でした。北面の武士は文武にすぐれたカッコイイ人でないとなれなかったそうですが、叶わぬ恋をして、23歳で出家してしまいます。その後あちこち放浪の旅に出て、最後は河南町の弘川寺で亡くなりました。

この歌は「できる事なら春、桜の木の下で生涯を終えたい。2月の満月の頃に」という意味ですが、昔、花と言えば桜のことでした。(ソメイヨシノは江戸時代に作られたので、山桜のこと) 如月は太陽暦では3月後半。桜は咲いていたかも。釈迦の入滅は2月(如月)15日で、なんと西行が亡くなったのは2月16日でした。

その日満月だったかどうかはわかりませんが、釈迦に憧れ、桜を愛した西行の願いは叶ったのでしょう。
 

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